桜木町を訪れた際、いつも動いている横浜エアキャビンのゴンドラが停止しているのを見て、ふと気になり、この記事を書くきっかけとなりました。
横浜エアキャビンは、桜木町駅前から新港地区の運河パークを結ぶ、都市型循環式ロープウェイです。この乗り物は、街を高い場所から眺めながら移動できる観光施設として、みなとみらいの新たな魅力を生み出しています。
すべてのキャビンはバリアフリーに対応しており、空気の自然循環による換気システムや最新式のバッテリー冷房システムなど、快適さと安全に配慮した機能が備わっています。また、夜間には駅舎内部がライトアップされ、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を楽しめます。
しかしこのゴンドラ、地元の横浜に住む人々からは、本当に使われない乗り物です。
それは、料金設定が片道1,000円と高いことや、桜木町駅から運河パークまでの距離が徒歩でも十分に移動できるため、あえて利用する理由を見出しにくいという点です。
移動手段として考えた場合、220円で利用できて、「赤レンガ倉庫」や「山下公園」に直接降ろしてくれる「あかいくつバス」と比べると、赤レンガ倉庫の遥か手前で終わってしまう横浜エアキャビンはあまりにも無能な交通手段です。
また、桜木町と新港地区を結ぶ「汽車道」は、散歩コースとして非常に人気があり、むしろ景色を楽しみながらじっくり歩きたいと考える人も少なくありません。
旅先での非日常を味わうような「財布の紐が緩む観光モード」に切り替わっていれば乗りたくなりますが、地元住民が横浜のど真ん中で観光モードになるはずもなく、横浜エアキャビンは、汽車道を歩く地元民にとって最も身近でありながら最も乗る機会がない乗り物なのです。
※横浜市民、箱根の大涌谷ロープウェー(片道1,500円)とかを前にすると観光スイッチが入っているので嬉々として利用する傾向があります。