「女装をやめられなくなる男の子の話」という漫画作品。
これは最近はやりの、いわゆる性転換=TS (transsexual)コンテンツ…いや、正確には男の娘漫画らしい。初めて本格的な男の娘読んでみたがこれが中々面白い。この作品の主人公は女装した自分をかわいいと自覚しており、また他人からかわいいと言ってほしい「クソデカ承認欲求」を全く隠す気配がない。
アホな幼馴染男子が主人公の女装を偶然見てしまったが、あまりの可愛さにツッコミを入れるどころかのろけてしまうという内容。導入こそ特殊ですが、ほほえましくピュアな青春ラブストーリーとして読めてしまう漫画。
喜びに嘘をつかず追いかけられて、理解者もいる人生は素晴らしい。そんな風に思えた作品です。
「らんま½」「あやトラ」「お兄ちゃんはおしまい!」といった、呪いや薬品の類で本人の意思と関係なくTSする系の主人公は、周囲のドタバタに巻き込まれてストーリーが展開しがち。
対して、ついたまんま(何が)の女装男子漫画は主人公が厚かましい性格をしていて周囲を引っ張っていく展開が多い。というか、「かわいくなりたい」とはっきりとした女装願望がある男が「男の娘」なので、主人公が自発的に行動する展開を書かざるを得ないようだ。
昭和時代の漫画であれば憚りもせず「変態」の一言で片づけられてしまったTSキャラが、今や世界中で需要を生み出している。そんなことを思うと、今は旧時代の変態が勝利する時代なんだなと実感するw